
砂漠、メディナ、スーク…モロッコと聞いて多くの人が思い浮かべるイメージとは正反対の、ヨーロッパのアルペンリゾートのような街がモロッコにあることをご存知ですか?
イフレン(Ifrane)は、アトラス山脈の中腹、標高約1,650mに位置する高原都市。フランス植民地時代の1929年に避暑地として建設され、現在は「モロッコのスイス」「モロッコの軽井沢」と呼ばれ、王族や富裕層の別荘地として知られています。
フェズから車でわずか1〜1.5時間。サハラ砂漠へ向かうツアーの経由地としても人気のイフレンの魅力を、現地モロッコ人の視点も交えて詳しくご紹介します。

モロッコロマン編集部
モロッコの魅力を日本に届けるため活動するKompalのメンバーで構成。現地パートナーと連携し、一次情報に基づいた信頼性の高いモロッコ旅行・文化情報を発信しています。
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イフレンとは?基本情報
「モロッコのスイス」と呼ばれる理由
イフレンを訪れた旅行者が口を揃えて言うのは「ここは本当にモロッコ?」という驚きの言葉。その理由は一目瞭然です。
- ヨーロッパ風の三角屋根(切妻屋根)の建物が立ち並ぶ街並み
- 統一されたオレンジ色の屋根が美しい景観を作る
- 整備された公園に流れる豊かな水(滝・噴水)
- アトラス杉に囲まれた緑豊かな自然環境
- 冬季はスキーが楽しめるモロッコ唯一のウィンターリゾート
砂漠のイメージが強いモロッコですが、イフレンには清涼な空気、豊富な水、美しい森林が広がっています。
イフレンは私たちモロッコ人にとって特別な場所です。夏の暑い時期、フェズやマラケシュが40度を超える中、イフレンは涼しく快適。王様も夏はよくイフレンにいらっしゃいます。ヨーロッパのような街並みを見て「ここは本当にモロッコ?」と驚く日本人観光客の方も多いですよ。
イフレンの歴史
イフレンの歴史は比較的新しく、近代的な計画都市として誕生しました。
- 1929年:フランス保護領時代に、フランス人によって建設
- 建設目的:内陸部の厳しい夏の暑さから逃れるための避暑地・入植地
- 独立後:王族、政府要人、富豪の別荘地として発展
- 現在:高級リゾート地として知られ、アル・アハワイン大学もある学術都市
| 正式名称 | イフレン(Ifrane / إفران) |
|---|---|
| 標高 | 約1,650m |
| 人口 | 約14,000人 |
| 気候 | 地中海性気候(夏涼しく、冬は雪も降る) |
| 愛称 | モロッコのスイス / モロッコの軽井沢 |
| フェズからの距離 | 約65km(車で1〜1.5時間) |
イフレンの観光スポット・見どころ
アトラスライオン像(ライオン・イフレン)

イフレン観光のハイライトといえば、街の中心にあるアトラスライオン像。イフレンを訪れる観光客のほとんどがこの像の前で記念写真を撮る、定番のフォトスポットです。
アトラスライオン(バーバリライオン)とは?
- かつてアトラス山脈一帯に生息していたライオンの亜種
- 別名「バーバリライオン」、ライオンの中でも最大級の体格
- 古代ローマの闘技場で剣闘士と戦った伝説的なライオン
- 狩猟により1922年に野生絶滅が宣言された
- モロッコ王室の私設動物園で純血種が発見され、現在はラバト動物園で繁殖・保護活動中
- モロッコサッカー代表の愛称「アトラス・ライオンズ」の由来
ライオン像の前は観光客でいつも賑わっています。写真を撮るなら朝早めの時間がおすすめ。像の向こうには小さな滝があり、砂漠の国モロッコでこんなに水が豊富なことに皆さん驚かれます。
ラ・プレリー公園(イフレン公園)
ライオン像がある中心部の公園です。噴水や小川が流れる美しい緑地で、地元の人々の憩いの場となっています。
- 整備された芝生と並木道
- 豊かな水をたたえる噴水
- 周辺にはカフェ・レストランが点在
- のんびり散歩を楽しむのに最適
イフレン国立公園・アトラス杉の森

イフレン周辺には、アトラス杉(アトラスシーダー)が生い茂る広大な森林が広がっています。
- アトラス山脈原産の針葉樹で、大きいものは高さ40mにも達する
- 世界でも有数の巨大なアトラス杉が見られる
- ハイキングやトレッキングに最適
- 自然愛好家に人気のスポット
バーバリーマカク(野生の猿)に出会える「アズルーの森」

イフレンから約17kmのアズルー近くでは、野生のバーバリーマカクに出会えます。
バーバリーマカクとは?
- アフリカ大陸に生息する唯一のマカク属のサル
- ニホンザルに似た姿だが、尾がほとんどない
- モロッコとアルジェリアの森林に生息
- 絶滅危惧種(IUCNレッドリスト掲載)
- おとなしい性格で、観光客にナッツをおねだりする愛らしい姿も
- フェズからの日帰りツアー「Monkey Watch」も人気
アズルーの森の猿たちはとてもおとなしいです。日本の猿のように荷物を取ったりしません。ナッツを持っていくと喜んで食べますが、餌をあげすぎないように注意してくださいね。野生動物の保護のためです。
ミシュリフェン・スキー場

イフレン近郊には、アフリカ大陸でスキーができる貴重なスポットミシュリフェン・スキー場があります。
- 冬季(12月〜3月頃)に営業
- 積雪状況により営業期間は変動
- 国王もスキーを楽しむことで有名
- 「アフリカでスキー」という貴重な体験が可能
街並み散策
イフレンの魅力は、街全体がまるでヨーロッパのリゾート地のような雰囲気に包まれていること。
- 統一されたオレンジ色の三角屋根の建物
- 整備された道路と美しい街路樹
- 高級別荘地エリア
- 欧風カフェ「ル・シャモニー(Le Chamonix)」でティータイム
- 清潔感があり、モロッコらしくない整然とした雰囲気
イフレンへのアクセス・行き方
フェズからイフレンへ
| 距離 | 約65km |
|---|---|
| 所要時間 | 車で約1〜1.5時間 |
| 移動手段 | チャーター車、ツアーバス、グランタクシー、長距離バス(CTM等) |
サハラ砂漠ツアーの経由地として
イフレンは、フェズ → サハラ砂漠(メルズーガ)へ向かうルート上にあり、多くのツアーが休憩・立ち寄りスポットとして利用しています。
- ルート例:フェズ → イフレン → ミデルト → エルフード → メルズーガ
- フェズ〜メルズーガ間は約400km、8〜9時間の大移動
- イフレンでの休憩は、長旅の良いリフレッシュポイント
おすすめの観光所要時間
- 立ち寄り観光:30分〜1時間(ライオン像と街並み散策)
- じっくり観光:2〜3時間(カフェ休憩、森林散策含む)
- 日帰りツアー:フェズから半日〜1日(アズルーの森とセット)
砂漠ツアーの途中でイフレンに立ち寄る場合、休憩時間は30分程度が多いです。もしゆっくり楽しみたいなら、フェズから日帰りツアーに参加するか、イフレンに1泊することをおすすめします。夜のイフレンは静かでロマンチックです。

人気都市を巡る王道ルート
シェフシャウエン、フェズ、砂漠、マラケシュの人気スポットを巡る満喫プラン。
このプランをベースにアレンジも可能です
おひとり様あたり(2名様利用)
300,000-

ゆっくり堪能ご褒美旅
ゆったり満喫
主要観光スポットはもちろん。現地ガイドならではのスポットもご案内!無理せずゆったりモロッコを巡るプラン。
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海と砂漠のコントラストを楽しむ旅
グルメ
砂漠の風景と美しい海岸線を巡り、モロッコの多様な魅力を堪能します。
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カスバと砂漠を巡る旅
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ベストシーズン・気候・服装
季節ごとの気候
標高1,650mのイフレンは、モロッコの中でも涼しい気候が特徴です。
| 季節 | 気温目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 春(3〜5月) | 10〜20℃ | 過ごしやすく観光に最適 |
| 夏(6〜8月) | 15〜28℃ | 避暑地として最高、モロッコ人の別荘利用増 |
| 秋(9〜11月) | 8〜18℃ | 紅葉も楽しめる、朝晩は冷え込む |
| 冬(12〜2月) | -5〜10℃ | 積雪あり、スキーシーズン |
服装のポイント
- 夏でも朝晩は涼しいので、羽織りものを用意
- 冬はダウンジャケット、使い捨てカイロ必携
- 標高が高いため紫外線対策も重要(帽子、サングラス)
- 砂漠ツアーの途中の場合、気温差に注意(砂漠との温度差が大きい)
イフレン周辺のおすすめスポット
アズルー(Azrou)
- イフレンから約17km
- ベルベル人の伝統的な町
- バーバリーマカクの森へのアクセス拠点
- 木工芸品・絨毯が有名
ミデルト(Midelt)
- イフレンから約135km(約2.5時間)
- リンゴの産地(街のシンボルはリンゴのオブジェ)
- 養殖マスが名物(ツアーランチで提供されることも)
- 砂漠へ向かう途中の休憩ポイント
フェズ(Fès)
- イフレン観光の拠点都市
- 世界遺産の旧市街(メディナ)
- 世界最古の大学カラウィーン・モスク
- 「迷宮都市」と呼ばれる複雑な街並み
観光のコツ・注意点
観光のポイント
- カフェで一息:「ル・シャモニー」などでミントティーやカプチーノを
- 写真撮影:ライオン像は混雑するため朝早めがおすすめ
- トイレ休憩:整備されたカフェ・ホテルでトイレを借りる
- 土産物:街中の土産店は少なめ、フェズやマラケシュで購入を
注意点
- 観光スポットは限られる(30分〜1時間で見終わる規模)
- 冬季は道路凍結・通行止めの可能性あり
- 高級別荘地のため物価はモロッコ平均より高め
- 野生動物(猿)への餌やりは節度を持って
イフレンは小さな町なので、「観光スポットが少ない」と感じる方もいます。でも、この静けさと美しさこそがイフレンの魅力。ぜひカフェでゆっくりお茶を飲んで、モロッコの別の一面を感じてください。砂漠やマラケシュの喧騒とは正反対の、穏やかな時間が流れています。
イフレンを含むモデルコース
① フェズ発・日帰りプラン(半日〜1日)
フェズ→イフレン(街歩き・ライオン像)→アズルーの森(野生の猿観察)→フェズ帰着
② 砂漠ツアー(2泊3日〜)経由プラン
フェズ→イフレン(休憩)→ミデルト(昼食)→エルフード→メルズーガ(砂漠泊)
③ モロッコ周遊7日間プランの一部として
カサブランカ→フェズ→イフレン経由→サハラ砂漠→ワルザザート→マラケシュ
まとめ
本記事では、「モロッコのスイス」と呼ばれる高原リゾート・イフレンの魅力や観光スポット、アクセス方法について詳しく解説してきました。
砂漠やメディナのイメージが強いモロッコですが、イフレンはそれとは全く異なる表情を見せてくれます。ヨーロッパのアルペンリゾートを思わせる美しい街並み、かつてこの地を闊歩したアトラスライオンの像、アトラス杉の森に暮らす野生のバーバリーマカク。フェズから日帰りで訪れることができ、サハラ砂漠へ向かうツアーの経由地としても最適です。
モロッコ旅行では、マラケシュやシャウエン、サハラ砂漠といった定番スポットに目が行きがちですが、イフレンを訪れることで、この国の持つ多様な魅力をより深く感じていただけるはずです。ぜひ旅程に組み込んで、モロッコの新たな一面を発見してみてください。
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