
モロッコ旅行を計画中なら、ぜひ訪れていただきたいのが大西洋に面した港町「エッサウィラ」。白い壁と青い扉が美しい旧市街(メディナ)、活気あふれる漁港、芸術家たちのアトリエ、新鮮な海の幸…すべてがリラックスした雰囲気で、心癒される体験が待っています。本記事では、エッサウィラの基本情報から、アクセス方法、定番の観光スポット、おすすめの楽しみ方までを詳しくご紹介。
エッサウィラについて

モロッコ西部の大西洋沿岸に位置するエッサウィラは、貿易風の影響で一年中過ごしやすい気候の港町です。白を基調とした建物と青い扉や窓枠のコントラストが美しく、「白と青の街」として多くの旅行者を魅了しています。
エッサウィラ最大の特徴は、ヨーロッパとモロッコの文化が融合した独特な街並み。紀元前7世紀にフェニキア人が基地を置いたことに始まり、15世紀にはポルトガルが貿易拠点として利用し「モガドール」と呼ばれていました。
現在のエッサウィラの街並みは、1760年頃にアラウィー朝のスルタン・ムハンマド3世の命により、フランス人建築家テオドール・コルニュによって設計されました。そのため、モロッコの他の都市とは異なり、整然とした通りとヨーロッパ風の建築が特徴的です。
また、1970年代から芸術家の街として発展し、現在も多くのギャラリーやアトリエが立ち並びます。2001年には旧市街(メディナ)が世界遺産に登録され、穏やかな雰囲気と豊かな文化が共存する街として人気を集めています。
さらに、エッサウィラは港町ならではの新鮮な海の幸が豊富で、モロッコでは珍しく魚料理が充実している点も魅力です。マラケシュからのアクセスも良く、日帰り旅行先としても多くのツアーが組まれています。
エッサウィラへの行き方
エッサウィラへのアクセスは、主にマラケシュからの移動が一般的です。
マラケシュからのアクセス
バスでの移動: マラケシュからエッサウィラまで約2.5~3時間
国営バス会社「CTM」や「Supratours」を利用すれば、比較的安価で安全にアクセスできます。午前中にマラケシュを出発し、お昼頃にエッサウィラに到着するバスが便利です。料金は 片道90〜120dh(約1,350〜1,800円)程度。
車(タクシー・ツアー): 約2.5~3時間
より自由に移動したい方は、プライベートタクシーのチャーター、またはツアーに参加するのもおすすめ。途中、アルガンの木に登るヤギを見られるスポットに立ち寄ることもできます。料金は、1人あたり約3,000〜5,000円程度(ツアー会社や内容により異なります)
その他の都市からのアクセス
- カサブランカやアガディールなどからもバスでアクセス可能
- エッサウィラには空港もあり、ヨーロッパ主要都市(パリ、ロンドンなど)からの直行便も運航しています
観光ルートを効率的に回りたい方は、マラケシュ発着の周遊ツアーに参加するのもおすすめです。
エッサウィラの観光スポット
エッサウィラには歴史的建造物から活気あふれる市場まで、見逃せないスポットがたくさんあります。
旧市街(メディナ)

2001年に世界遺産に登録されたエッサウィラの旧市街は、白い壁と青い扉・窓枠で統一された美しい街並みが特徴です。フランス人建築家の設計により、モロッコの他の都市に比べて整然とした通りが魅力。
メディナ内は車の通行が少ないため、安心してゆっくりと散策できます。狭い路地を歩いていると、アルガンオイル、木工品、バブーシュ、絵皿などを扱うお店や、芸術家のアトリエに出会えます。
他の都市に比べて、値段交渉も激しくなく、リラックスしてショッピングを楽しめるのも嬉しいポイント。カフェで一息つきながら、のんびりとした時間を過ごすことができます。
スカラ(城壁)

エッサウィラのランドマーク的存在が「スカラ」と呼ばれる城壁です。18世紀に貿易と軍事の拠点として築かれた要塞で、海に突き出した城壁からは大西洋の絶景を一望できます。
城壁の上には歩道があり、大砲が並ぶ展望台からは、白波が立つ海とカモメが舞う光景が広がります。人気海外ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のロケ地としても有名になりました。
夕暮れ時には特に美しく、沈む夕日と海のコントラストが幻想的な雰囲気を作り出します。メディナ散策の締めくくりに訪れるのがおすすめです。
ムーレイ・エル・ハッサン広場

エッサウィラの中心に位置する賑やかな広場で、街の心臓部とも言える場所です。広場の周りにはおしゃれなカフェやレストラン、お土産屋さんが立ち並び、地元民と観光客が行き交います。
グランモスクやカスバ博物館など主要な建物もこの広場に面しており、観光の起点として最適。広場のカフェでミントティーを飲みながら、行き交う人々を眺めるのも旅の楽しみのひとつです。
漁港とフィッシュマーケット

エッサウィラは港町ならではの活気あふれる漁港が魅力です。朝は漁船が並び、漁師たちが新鮮な魚を水揚げする様子を見ることができます。
港の近くには青空フィッシュマーケットが開かれ、釣れたての魚や貝類、エビなどが並びます。購入した魚は、近くのBBQスペースでその場で焼いてもらうことも可能。
港の周辺では、カモメが視界を埋め尽くすほど舞い、大西洋からの海風を受けて空中でゆらゆらと揺れています。カモメの鳴き声と潮の香りが、港町ならではの情緒を感じさせてくれます。
エッサウィラの名産品
アルガンオイル

エッサウィラ周辺でしか採れない貴重なアルガンオイルは、この街の名産品。美容用だけでなく、食用のアルガンオイルも人気で、サラダにかけるだけで驚くほど美味しくなります。
メディナ内には石臼でアーモンドを挽く女性の姿があり、アルガンオイル、アーモンド、ハチミツをブレンドした「アムルー」というペーストも絶品。パンにつけて食べると止まらない美味しさです。
トゥイヤ木工品

エッサウィラからアガディール地域で育つトゥイヤという木を使った寄木細工も有名です。良い香りがする木で、真珠貝、黒檀、銀線などで装飾された美しい工芸品が作られています。
小さな箱から大きな家具まで、メディナ内の至るところに工房やショップがあります。職人が作業する様子を見学できる工房もあり、伝統技術に触れることができます。
エッサウィラのグルメ
エッサウィラは港町ならではの新鮮な海の幸が楽しめる、モロッコでも珍しい街です。
イワシのタジン鍋
エッサウィラに来たら必ず食べたいのが、イワシのタジン鍋。通常、鶏肉や羊肉が入るタジン鍋に、肉厚で臭みのないイワシが入っています。
スパイスが効いており、港町ならではの新鮮な味わいが楽しめます。マラケシュやフェズでは見かけないメニューなので、ぜひエッサウィラで味わってください。
海鮮BBQ
フィッシュマーケットで購入した新鮮な魚介類を、その場で焼いてもらえるのもエッサウィラの魅力。エビ、イカ、貝類など、種類も豊富です。
牡蠣も1つ約150円という驚きの安さで楽しめます。
まとめ
エッサウィラは、モロッコ旅行の中でも特に「リラックスした雰囲気を味わえる」都市です。白と青のコントラストが美しい旧市街、新鮮な海の幸、芸術家たちの息づく街並み、そして穏やかな人々とのふれあい。どれをとっても、一度訪れたら忘れられない体験となるでしょう。
マラケシュから日帰りで訪れることもでき、モロッコの他の都市とは一味違った魅力を持つエッサウィラ。あなたのモロッコ旅の中に、ぜひこの美しい港町を加えてみてはいかがでしょうか。
モロッコ旅行を検討中の方はこちらのツアーをご覧ください
