モロッコは、ヨーロッパとアラビアンが融合したエキゾチックな雰囲気を味わえるアフリカ大陸の中で最もヨーロッパに近い国です。
写真映えする観光スポットがたくさんあり、近年日本人観光客が増加しています。アフリカ旅行はハードルが高いと感じている方におすすめの国の1つです。
この記事では、モロッコで訪れたいおすすめスポット10選をご紹介します。
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シャウエン
モロッコ北部に位置するシャウエンは、標高約600mの山間にある小さな町です。シャウエンの旧市街は、路地や家の外壁や階段が美しい青色で彩られ「青の街」とも呼ばれています。
なぜ青色に彩られているのか、正確な理由はわかっていません。1930年頃に、シャウエンに移住してきたユダヤ教徒が、青色は神聖な色だとして街全体を青く塗ったことが起源と言われています。
その後、多くのユダヤ教徒はこの地を去っていきましたが、この風習は今も続いています。他にも、涼しげに見えるから、虫除けといった説もあります。
シャウエンの旧市街は、まるでおとぎ話の世界に迷い込んでしまったかのような幻想的な空間で、最近では、フォトジェニックな街としてSNSやメディアに取り上げられ、日本人観光客も増加しています。
旧市街の中で宿泊することも可能なので、朝と夜の静かな青い街を楽しむことができます。また、シャウエンの旧市街では、たくさんのかわいい猫がいることも有名です。
カサブランカ
カサブランカは、スペイン語で「白い家」を意味します。人口約400万人を有するモロッコの最大都市で、商業と金融の都市と言われています。
アフリカ有数の港を持ち、モロッコの経済を支えています。
アフリカ最大級のショッピングモールであるモロッコモールや、ショッピングセンターのアンファ・プレイスなどがあり、ショッピングを堪能することができます。
高いビルが立ち並ぶ大都会でありながら、旧市街メディナに入ると、今も昔ながらの暮らしが営まれています。ここでは、香辛料や、食品、金銀などの貴金属が並ぶ市場もあり、散策にはうってつけです。
また、ハンフリーボガートとイングリッドバーグマンの主演映画「カサブランカ」(1942年アメリカ)の舞台としても有名です。映画の舞台を再現したレストランもあるので、映画ファンには堪らないはずです。
フェズ
モロッコの都市は、迷路のように複雑に入り組んだ道が多いと言われています。そんなモロッコの中でも世界一の迷宮都市と呼ばれているフェズの旧市街。
フェズの旧市街は2.2km×1.2kmの城壁に囲まれており、1981年に世界遺産に登録されました。この地で迷子になることを楽しみにしている観光客もいるほどです。
イスラム王朝の多くがフェズを王都としており、外敵の侵入を防ぐためにどんどん街並みが複雑になっていったと言われています。
細い入り組んだ道には、荷物を運ぶロバや伝統衣装を着た人々が行き交い、異国情緒が満載です。
迷子になるのが心配な方も、街のつくりを把握しておけば安心です。メインストリートは「タラア・セギーラ通り」と「タラア・ケビーラ通り」の2本だけなので、道に迷ったらこのメインストリートを目指して歩けば問題ありません。
また、「タンネリ」と言われるなめし革職人の作業場も有名です。
この製法は中世から変わらず、今もずっと継承されています。上から見ると、赤、青、黄、緑とさまざまな色のパレットのような、丸い桶のようなものが陳列されており、桶によって染料を使い分けています。
街全体が革の独特な匂いで充満しており、タンネリに近づくとその匂いがより強くなります。観光客の中には、マスクを着用したりミントの葉を鼻にあてて散策する方もいます。
サハラ砂漠
サハラ砂漠はアフリカ大陸の3分の1を占めており、その面積はなんとアメリカ合衆国とほぼ同じです。モロッコの国土でも約6割を占めています。
「サハラ」とはアラビア語で不毛の地を意味する言葉です。人を寄せ付けない自然の厳しさを持ちながらも、その壮大な景色に多くの人が魅了されています。
サハラ砂漠を満喫するには、メズルーガという村に宿泊するのがオススメです。メズルーガは、サハラ砂漠でのキャンプや、絶景と言われるサハラ砂漠での朝日や夕日・星空を望むための拠点とされます。
朝日や夕日、星空を鑑賞するには、メズルーガからラクダに乗って片道30分です。車で砂漠の奥まで行くことも可能です。
サハラ砂漠の中でもメズルーガのサハラ砂漠は、砂の粒子が細かくサラサラで、私たちがイメージするTHE砂漠の砂質です。
アイトベンハッドゥ
アイトベンハッドゥはアトラス山脈の麓にある要塞都市です。
土で作られた「カスバ」と呼ばれる邸宅が数多く残っており、世界遺産に登録されています。
カスバは、アグデス近郊のタムヌガルドにもあり、世界遺産登録にあたってはどちらを登録するか最後まで競ったと言われています。
規模はタムヌガルドの方が大きいですが、その美しい外観が評価され、アイトベンハッドゥのカスバが世界遺産に認定されました。
アイトベンハッドゥの村は、岩山にへばりつくように立ち上がっており、現存する家の最も古い箇所は、約500年前に建設されたと言われています。
まるでタイムスリップしたかのような世界観は、見るものを圧倒します。
「ナイルの宝石」「アラビアのロレンス」「グラディエーター」「キングダムオブヘブン」「プリンスオブペルシア」といった映画のロケ地としても有名です。
映画に出演したお宅には現在も数家族が生活しており、中にはお宅を見学することができるところもあります。
エッサウィラ
エッサウィラは大西洋に面した美しい港街で、2001年に街全体が世界遺産に認定されています。
日本人にとってはマイナーな都市ですが、国際空港を有しており、パリやロンドンなどの主要都市からの直行便があるため、ヨーロッパから多くの観光客が訪れます。
マラケシュから車で3時間ほどなので、日帰り観光も可能です。港街のため、産業の中心は漁業で、魚介が美味しいことで有名です。
港や魚市場は町外れにあり、採れたての新鮮な魚が売られ、漁師がのんびり片付け作業に勤しんでいるエッサウィラの日常に接することができます。
エッサウィラはカモメでも有名で、視界を埋め尽くすほどの無数のカモメが海風をうけて、真っ青な空でゆらゆらとゆれています。
エッサウィラの建物の外壁は白く、窓枠や扉は青く塗られており、統一感のある美しい街並みが特徴的です。ギリシャやスペイン南部にも似た地中海の白い街を、アフリカでも堪能することができます。
また、芸術の街という側面もあり、エッサウィラには世界中の芸術家や音楽家が訪れることも。街のいたるところに、アーティストのギャラリーやアトリエが立ち並び、雑貨屋ではモロッコのバブーシュや陶器、ラグやグラスなどの色鮮やかなお土産が並びます。
細い路地に入ると、現地で生活している家族の食器のぶつかる音や子どもの遊ぶ声が聞こえてくるとても平和な街です。
ラバト
モロッコの首都であるラバトは、モロッコ中西部に位置する大西洋に面した政治都市です。治安の良さも評判で、落ち着いた雰囲気が魅力です。
中心部は城壁に囲まれ、洗練された街並みが人気である一方、歴史的な史跡もたくさんあります。旧市街と新市街の両方が世界遺産に登録されている珍しい都市です。
ラバトの新市街には、20世紀前半にフランス人によって建設された近代的な建築物が立ち並び、まるでフランスに来たかのような雰囲気。
その新市街の中には、モロッコ建国の父と言われるムハンマド5世の霊廟があります。霊廟は、伝統的なイスラム様式の建造物で、豪華な天井には透かし細工が施されています。こちらは、非イスラム教徒でも中に入ることができます。
ムハンマド5世の霊廟の近くにはハッサン塔があります。12世紀に世界最大のモスクとその塔の建設を目指して着工しましたが、工事は中断し未完に終わってしまいました。
その後、1755年のリスボン大地震で大打撃を受けたことで、塔と200本の支柱だけが残り、それが今も残っています。
イスラムの権威の象徴と言われるミナレット(イスラム教の宗教施設に付随する塔)は当初88mの高さになる予定でしたが、現存する塔は44mとなっています。
また、ラバトは紀元前3世紀頃はローマ帝国の支配下にありました。当時はシェラも栄えていましたが、その後ローマ人が去ってからはずっと廃墟のままでした。
12世紀になってイスラム王朝時代に墓地として利用されることとなり、イスラムのモスクやローマ風呂、凱旋門などの古代ローマ遺跡が混在しています。
旧市街は、12世紀にアフリカ北部で栄えたムワッヒド朝により築かれたアラブ系の街です。
入り組んだ路地の奥には市場があり、多数の店がひしめき、ミントティーグラスや布製品、ランプなどのモロッコ雑貨がたくさん並んでいます。
海沿いには17世紀に建設されたウダイヤのカスバと言われる城塞があり、高さ10mの外壁に囲まれた重厚な雰囲気が漂います。
マラケシュ
マラケシュはアトラス山脈の麓に広がるオアシスに築かれ、「モロッコの楽園」と呼ばれることもあります。
マラケシュはベルベル語で「神の国」を意味し、街中にナツメヤシの木が生えており、今でもオアシスの面影を残しています。
11世紀に都市全体で本格的な整備が行われ、商業や学問、経済の中心として発展してきました。旧市街には歴史的建造物が多く残っており、1985年には旧市街全体が世界遺産に登録されています。
街の中心のジャマ・エル・フナ広場は、マラケシュで最も有名な広場です。アラビア語で「死人の広場」というちょっと怖い名前の広場で、昔は公開処刑場などが置かれていました。
11世紀からは交易の場として多くの人が集まり、今も世界中から多くの観光客が訪れています。そのにぎわいは、昼から夜まで続き、特に夕方頃からの時間帯は最も活気あふれます。
客引きがとても多く、日本人と分かれば日本語で話しかけられます。
広場の周りには、お土産屋さんや郵便局、カフェやレストランが立ち並びます。大道芸や屋台、フラワーショップやCDショップも立ち並び、買い物をしなくても散策するだけで楽しい場所です。
マジョレル庭園
マジョレル庭園はマラケシュ市内にあり、フランス人の画家のジャック・マジョレル氏が暮らしていた庭園です。
マラケシュの観光地のほとんどは、イスラム教関連の観光地や史跡ですが、この庭園は少し雰囲気が違います。
イヴ・サン=ローランが愛した庭園としても知られ、特に若い観光客から人気の観光スポットとなっています。園内には世界中の花やサボテンが飾られ、マジョレル・ブルーと呼ばれる鮮やかな青のペイントがされています。
入り口近くには竹林、池には鯉が泳いでおり、まるで日本のような風情も楽しむことができます。
園内のショップでは、イヴ・サン=ローランの友人であるルル・ラ・ファレーズがデザインしたアクセサリーやバック、サン=ローランのポストカードも購入することができます。
ハイレベルな素材を使用したハイセンスな商品は、ここでしか手に入れることができない限定品ばかりです。
旧市街の雑貨とは違う商品、ハイクオリティーさを求める方には、ショッピング目当てでの入場もおすすめです。
トドラ渓谷
トドラ渓谷は「ロッククライミングの聖地」と言われており、世界中のロッククライマーの憧れの地です。垂直に切り立つ崖の高さは約200mで、地上から見上げる景色は壮大そのものです。
トドラ渓谷はモロッコの南部に位置し、長い年月をかけてこの地を流れるダデス川が40kmにわたるこの渓谷を作り上げました。
モロッコは日本と同じように四季の変化があり、ベストシーズンは一般的に春と秋です。
訪れる地域によって気候はかなり異なり、トドラ渓谷は他の地域より寒くなるのが早いので、3月〜6月、9月〜10月に訪れることをおすすめします。
トドラ渓谷の谷の上の方には「ノマド」と呼ばれる遊牧民が暮らしています。トレッキングをし、彼らの生活を見学することもできます。
ただ、トドラ渓谷への行き方は少し複雑です。まず、観光の拠点となるのは、ティネリールという街です。マラケシュやフェズ、ラバトなどの主要観光都市から行く場合、まずバスでティネリールを目指します。
ティネリールからは乗り合いのバンに乗らなければいけませんが、初心者には少しハードルが高いですよね。宿泊先のスタッフに連絡しておくと、宿までピックアップしてもらえるので、あらかじめスタッフへ連絡することをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?さまざまな文化が入り混じるモロッコには、数多くの魅力的な観光地があります。
訪れる街ごとに違った雰囲気を魅せてくれるモロッコは、史跡も自然も街並みも、見どころいっぱいです。
ぜひモロッコ旅行の参考にしてみてください。
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