海外旅行に行く際、旅行者として治安状況や安全に関する情報を事前に知っておくことはとても重要です。
この記事では、私の実体験も踏まえて、モロッコの治安について解説していきます。
モロッコを訪れる際に知っておくべき治安の状況、そして注意すべきポイントを知り、安心して旅行を楽しむためにぜひ参考にしてください。
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モロッコの治安
モロッコの治安について調べるために、外務省の海外安全情報をチェックしてみると以下のように書かれています。
【危険度】
●全土:「レベル1:十分注意してください。」(継続)【ポイント】
外務省HP
●全土にテロの脅威があります。外国人観光客が多数集まる場所や政府関連施設、宗教関連施設への立ち寄りは最小限にとどめるよう心掛けてください。
●2017年~2018年、北部アル・ホセイマや北東部ジェラダ等において、デモ参加者と治安部隊との衝突が発生しました。現在の治安状況は比較的安定していますが、デモや集会等の群衆に遭遇した場合は、近づかないようにしてください。
●都市部や観光地では、外国人観光客を標的としたスリや刃物を用いた恐喝などの金銭目的の犯罪が発生しており、注意が必要です。
「危険レベル1:十分注意してください」とは、その国・地域への渡航,滞在に当たって危険を避けていただくため特別な注意が必要と定義されています 。
つまり、しっかり注意を払っておけば、モロッコに旅行することは問題ありません。危険レベル1と聞くと、「行ってはいけないのかな」と不安に感じてしまう方もいるでしょう。そうではないので、誤解しないでくださいね。
モロッコは「アフリカでもっとも旅行しやすい国」とも言われ、治安は比較的安定しています。
しかし、テロの可能性がゼロとは言えません。実際に、2017年~2018年にはデモ隊と治安部隊が衝突する事件も起きています。
外務省のホームページやニュースなど公的な機関から発信される最新の治安情報を入手して警戒を怠らないようにしてください。
モロッコで頻発する犯罪事例とトラブル
モロッコで頻発する犯罪事例とトラブルは大きく分けて次の5つです。
- 強盗・恐喝
- スリ
- ぼったくり・詐欺
- 女性に対するいやがらせ
- 交通事故
1つ1つ具体的な被害を見ていきましょう。
強盗・恐喝
1つ目は「強盗・恐喝」です。
バイクで後ろから近づいてきて、カバンなどをひったくられる事件が発生しています。
また、人通りの少ない路地などで襲われ、お金や貴重品を無理やり奪われてしまうこともあります。同様に、刃物で脅され、お金を要求されることも。
そして、宿でも油断できません。ドミトリーなど安価な宿では、留守中に高価なものを奪われる被害も起こっています。
スリ
2つ目は「スリ」です。
大人だけでなく、子どもにも油断はしてはいけません。親しげに近づいてきて、去った後、貴重品が失くなっていることがあります。
特に、スークなど人混みには注意が必要です。私も旅行中目の前でスリをしようとする青年を目撃しました。幸い未遂に終わっていましたが、、、
電車で居眠りをして起きたら、貴重品を盗まれていたという事例もあります。残念ながら、日本のように電車に揺られながら睡眠とはいきません。
ぼったくり・詐欺
3つ目は「ぼったくり・詐欺」です。
お土産店で相場を知らない、言葉が通じず断れないことを利用され、通常の何倍もの値段でものを買わされてしまうことがあります。
また、タクシーのメーターが初めから高い数値に設定されていたり、メーカーの変わるスピードが早く設定されており、高額な料金を請求される被害も発生しています。
親切に道案内をすると話しかけてきた人について行ったところ、行き先で案内料を要求されたという事例も報告されています。
女性に対するいやがらせ
4つ目は「女性に対するいやがらせ」です。
道を歩いていたらナンパされたという被害は、頻繁に耳にします。
また、観光していると男性から親しく声をかけられて断ったところ、しつこくつきまとわれたという事件も起こっているのです。
行動がエスカレートすると、身体に触れられる、強姦など暴力行為に発展する可能性もあるため、女性は十分に注意してください。
交通事故
最後は「交通事故」です。
モロッコは車が主要な交通手段ですが、交通機関が整っていないところも多く、交通マナーも日本に比べ悪いです。
特に、ラマダンの期間中は、日中食事ができず(断食)、空腹でイライラしているドライバーが多くなるためか交通事故の数が増加するので注意しましょう。
モロッコの危険エリア
モロッコの危険エリアは次の通りです。日本人を含め観光客が多く集まる都市で犯罪が多く発生しています。
- カサブランカ
- マラケシュ
- フェズ
- シャウエン
- アルジェリアとの国境付近
ここでは、各エリアでどの様な犯罪が発生しているのかを解説します。
カサブランカ
カサブランカは、テロが何度か起きています。
具体的には、2003年の同時多発テロ事件、2007年のアメリカ領事館自爆テロです。しかし、それ以外の犯罪は比較的少ない状況となっています。
大きなテロも2007年以降発生していません。
マラケシュ
フナ広場はメジャーな観光スポットながら、犯罪も多く発生しています。様々なお店が密集しているため、スリが後を立ちません。
また、大道芸人のパフォーマンスが多いことでも有名なエリアです。写真や動画を撮ったら、それを口実にお金を要求されるので注意しましょう。
フェズ
フェズもマラケシュ同様、旧市街では、スリ・ひったくりの被害が多く報告されています。
また、客引き・偽ガイド・大道芸人など、様々な犯罪が発生している場所です。
シャウエン
マリファナの栽培が盛んなエリアのため、道を歩いているときに声をかけられることがあります。
夜間が特に危ないとされ、女性は1人で歩かないほうがよいでしょう。
アルジェリアとの国境付近
アルジェリアとモロッコは関係が決してよいとは言えません。
そのため、両国の国境付近では緊張が高まり、治安が不安定と言われています。
モロッコ旅行で注意するべきこと
これまで取り上げた犯罪に巻き込まれないために、街を歩く際の心構えや対策を犯罪やトラブルごとにご紹介します。
前提として、海外旅行保険には加入しておくのがよいでしょう。
どんなに気をつけていても事件に100%遭わないとは限りません。何かあったとき、多額の出費になるのを防げます。海外旅行保険は、クレジットカード付帯がオススメです。
その理由は、わざわざ追加で保険料を払う必要もないからです。ただでさえ、航空券やホテル代で出費しているので、他のところではお金を抑えたいですよね。
強盗・恐喝
- 人通りが少ないところを避ける
- 道路側ではなく歩道側を歩く
- バックはできる限り前に抱えてもつ
- 宿に貴重品を置きっぱなしにしない
夜間、人通りが少ないところを歩いていて、背後から襲われたなどの被害が報告されています。できる限り、電灯があり明るく、人がたくさんいるところを歩きましょう。
路地裏などを歩かなきゃいけない場合には、チラチラ後ろを振り返るなど、警戒心を高めて行動してください。
道路側にカバンをもっていると、バイク等で無理やりひったくられてしまいます。歩道側にもつようにしましょう
バックを後ろに背負っていると、知らぬ間にファスナーを開けられ、ものを盗られることがあります。できる限り前で抱えるようにしましょう。ポケットにものを入れないのも基本です。
宿と言えども安心できません。宿の住人がスリの仲間で留守中に貴重品が盗まれるなんて被害も発生しています。パスポートなど貴重品は自分で管理しましょう。
宿に荷物を置いて行く場合は、鍵をつけておくことをオススメします。
スリ
- 貴重品を分散させ、カバンや服の奥にしまう
- パスポートのコピーをもっていく
- カバンはチャックが閉まるものにする
- 携帯は安易に出さない
たとえ盗難に遭ったとしても、貴重品を分散させておけば、全てなくなることはありません。
万が一、スリなどでパスポートを盗まれた場合に備えて、コピーをもっておいてください。コピーも本物のパスポートとは別のカバンに入れるのがオススメです。
カバンは必ずチャックが閉まるもので自分の体の前にして持っていきましょう。私は、携帯にショルダーストラップをつけて簡単に取られないようにしていました。
ぼったくり・詐欺
- 親切な言葉には注意
- きっぱり断る勇気をもつ
- タクシーはメーター確認必須
道案内などで困っていると親切そうに近づいてくる人がいます。本当に親切心で話しかけてくる人がいるのも事実です。しかし、ほぼお金目的と思って問題ありません。そういう親切心に乗せられないようにしましょう。
モロッコは客引きがとにかく多いです。ぼったくりに合わないためにも興味のないものには最初からきっぱり断る、もしくは、無視する姿勢を貫きましょう。
タクシーは要注意です。乗る際、メーターを必ず確認しましょう。「メーターが初めから進んでいないか」はもちろん、発車してからメーターの変わるスピードが異常に速い場合も注意です。その場合、「ストップ」と言ってすぐ停めてもらいましょう。目的地についてからでは手遅れです。
女性に対するいやがらせ
- きっぱり断る勇気をもつ
「あなたは綺麗」、「お酒1杯だけ」など巧みな誘い文句で男性が近づいてきます。
そういう誘いに乗ったらアウトです。何をされるかわかりません。最初にきっぱり断る、もしくは無視してその場をすぐ立ち去りましょう。
しつこく付きまとわれたら、警察やホテルの人などにすぐ相談してください。
交通事故
交通ルールを守らない、荒い運転には注意しましょう。景色や地図に夢中になるあまり、注意力が散漫になり、事故に巻き込まれる可能性があります。
その他注意すべきこと
犯罪ではないですが、観光する上で注意すべきことを最後に触れます。
- イスラム教のルールに従う
- 撮影、立ち入り禁止エリアに行かない
それぞれ解説します。
イスラム教のルールに従う
モロッコはイスラム教の国であるため、イスラム教のルールに従って行動しましょう。
具体的には、下記の通りです。
- 女性をじろじろ見ない
- 街歩きの服装に気をつける
- ラマダンの期間中は公共の場・外で飲食・喫煙を控える
- お酒は決められたお店だけで飲む
- 公共の場では男女の親しげな行為は控える
イスラム教では、女性=大切なもので人目に触れてはいけないとされています。
肌を露出する行為もNG。したがって、女性は短い丈のパンツやスカート、過度な露出の服装は避けた方が無難です。特に、モスクを見学する際は、スカーフや上着などで肌を覆うなど、しっかり肌を隠してください。
ラマダンの期間中は断食なので、その人たちの目に触れる場所で飲食・喫煙はしないようにしましょう。一般的に、ラマダンの期間中は緊張が高まると言われています。その時期を避けて旅行するのがよいと思います。
宗教上の理由からお酒は許可を受けたお店だけで楽しむようにしてくださいね。
撮影、立ち入り禁止エリアに行かない
撮影、立ち入り禁止エリアに行かないようにしてください。警察や政府関係の建物など、撮影禁止の施設があります。
観光のために開放されている場合を除き、モスクはイスラム教徒以外入れません。
たとえ入れたとしても、カメラでの撮影や礼拝の邪魔をしないよう、静かに見学しましょう。
まとめ
今回は、モロッコの治安・トラブル対策について解説してきました。
モロッコは比較的治安もよく、女性1人で旅行することもできると思います。ただ、モロッコ旅行を安心・安全に楽しむために、自分自身で危機管理を持つことが大切です。
どんなときでも油断せず、気をつけて行動することを心がけましょう。
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